武道から学ぶ「残心」という概念

こんにちは!土日担当の豊福(トヨフク)です。9月は月曜午前も入ってます!

スポーツは、競技によってルールや技術、感覚などが大きく異なりますが、力を生み出すための体の使い方や、勝つために必要な精神的な「意識」においては、共通していることがとても多いと思います。中でも、武道や芸道においてとても重要な概念として伝わる「残心(ざんしん)」を、皆さんご存知でしょうか?

剣道や弓道の世界に身を置いたことがある人なら知っていて当然だとは思いますが、まずは残心についてウィキペディアを引用しているのでお読みください。

 

残心(ざんしん)とは

日本の武道および芸道において用いられる言葉。残身や残芯と書くこともある。文字通り解釈すると、心が途切れないという意味。意識すること、とくに技を終えた後、力を緩めたりくつろいでいながらも注意を払っている状態を示す。また技と同時に終わって忘れてしまうのではなく、余韻を残すといった日本の美学や禅と関連する概念でもある。

ウィキペディアより

そして、武道と芸道においても若干解釈が異なるようですが、卓球に転換できるのは、どちらかというと武道における残心なので、こちらも併せてお読みください。

 

武道における残心

武道における残心とは、技を決めた後も心身ともに油断をしないことである。たとえ相手が完全に戦闘力を失ったかのように見えてもそれは擬態である可能性もあり、油断した隙を突いて反撃が来ることが有り得る。それを防ぎ、完全なる勝利へと導くのが残心である

ウィキペディアより

 

残心=戻り

要は「油断しない」ということなのですが、試合中においてリードしているときの「油断」ということではなく、ラリー中における1球1球に対しての油断のことを指しています。

卓球に置き換えると、チャンスボールが来て、ドライブまたはスマッシュなどの強打で決めにいったところ、まさかの返球に慌ててしまうことがないよう、強打した直後または強打するその瞬間に、相手の返球に対して準備(注意)しておくことですが、チャンス時の強打に限らず全てのラリーに言えることです。

これを、卓球の世界では「戻り」と言うことが多いと思いますが、1つの動作が終わってから戻ることを意識しても、卓球のように相手との距離が短く時間がない競技においては手遅れになってしまいますし、「戻る」ことが目的になってしまうと、戻りは速くなっても次の打球を打ち急いでしまいタイミングが合わなくなってしまったり、何のために速く戻る必要があるのかを忘れてしまっているケースが多々見受けられます。

よって、ただ「戻る」だけではなく、前の動作から次の動作にどう接続されるかがポイントになってきます。

 

残心(戻り)は、意識のコントロールが必要

早く戻ることの重要性はわかっていながらも、いつまで経っても戻れない…。そんな方も少なくないでしょう。なぜ戻れないのか?なぜ決めに行こうとすると力み過ぎて次の打球が頭から消えてしまうのか?私自身がそんな疑問と葛藤しながら卓球をしていたころ、ふとした瞬間に次のようなことが脳裏に浮かんできました。

これは、「肉体面の技術」で鍛えるものでなく、「精神面の問題」なのでは?

「意識」という、コントロールできるようでできない、容易に変えることのできない精神的な部分だからいつまで経ってもそれができないのではないだろうか。人が、気軽に性格を変えられないように、人が、嗜好品を止めて生活習慣を改められないように、本来「意識」だけで変えることができても不思議ではないはずなのに、それをコントロールするこができないのが、己の意識(無意識の領域)だから。もし、この無意識の領域に「戻る」ことを植え付けることができたならば、あらゆるラリーにも対応できるようになるのでは?と、確信とまではいかない自信が沸々と湧き起こってきました。

練習というより鍛錬という方が相応しいのかもしれませんが、「無意識の領域を鍛える」まさに武道のような世界なのです。

そこで考案した練習メニューが、【脱自滅!戻りを早くする切り替えし集中レッスン】というもので、受講いただくとお分りいただけると思いますが、意識し続けることの難しさ、集中力が途切れてしまったり、複数のことを同時に意識できない歯がゆさがあります。

 

スイングとスイングの「つなぎ」を意識する

私がこの考えを持つようになってから約2年になりますが、練習だけではなく試合の中でも無意識にできるようになったのは、週1回の練習で約1年くらい経った頃だったと思います。

そして先日、「美塾」という全国各地で大人気のメイク教室があるのですが、そこの塾長「内田裕士(うちだ ひろし)先生」の講演をたまたま聴いた時に、この「残心」という言葉が出てきてその解説を聴いたときに、まさに今まで私が意識し続けてきたものはコレだ!という確信に変わったのです。

今までこの「意識」という形のないものを表現することに散々苦労してきましたが、たった2つの漢字に集約されている言葉(概念)があるとは思ってもいませんでした。
また残心には、相手からの反撃への注意だけではなく、「余韻を残す(余韻の美学)」という意味もあるようです。

卓球に置き換えると、振り切ったところでビタッ!とラケットを止め、余韻を残しながら次の動作に繋げていくことで、無駄なく次のスイングが始まっていく感覚がそれに近いように思います。
残心とは、このスイング(技)とスイング(技)の「つなぎ」のことなのかもしれません。
この「残心」のイメージに近い動きをしている選手が、卓球界の神とも呼ばれる「J.O.ワルドナー選手(スウェーデン)」や、現在世界ランク1位の「馬龍選手(中国)」、そして2015年に世界選手権で大活躍だった「方博選手(中国)」などですね。彼らの特徴として、振り終わりで一瞬止まり、まるで次のコースがわかっていたかのように無駄なく次の動作に繋がっていきます。まさにスイング後に余韻があり、ガチャガチャしてなくて動作が美しいです。
振り終わりで動作が止まっているので、「戻り」という点だけでみれば明らかに遅いように思いますが、凄まじいピッチの中でも連続攻撃ができたり、相手の意表をつくような冷静なプレーが軽々とできてしまうのは、次の打球への意識が強いのと、逆に動いてしまうという最も無駄な動きがほぼほぼ無いからだと私は考えています。これは、私独自の見解ですが、彼らの「ひと振り」の中には自分の打球を放つだけでなく、相手の返球への準備(意識また注意)が含まれているからだと思っています。

これはまさに残心そのものであり、振った後に戻っているのではなく、振りながら戻るわけでもなく、振りの中に次の打球への意識が組み込まれているのではないでしょうか?

では、どのようにして残心を身につければよいのでしょうか。練習はもちろん沢山やらなげばなりませんが、ただがむしゃらに切り替えし練習をしてもあまり意味がありません。何も考えずに切り替えし練習をしたところで、動作や反応は多少速くなるかもしれませんが、ランダムに飛んでくるボールに対して振り回されているようでは、あまり実戦向きとは言えませんね。

そこで、とにかくこの残心を意識して切り替えし練習をしてみましょう。以下の条件を満たせば驚くほどランダムの切り替えしが楽になるのを実感できると思います。

 

ラリーが楽になる[6つの条件]

  1. ボールを見過ぎない(基本的にはボールが出てくる相手のラケットなどを見ておく)
  2. ボールは、目の焦点でなく視界で捉える
  3. 自分の打球を目と意識で追いかけない
  4. 振り終わり(振り切った状態)でビタッ!とラケットを止める
  5. 残心(次の返球への意識)を持つ
  6. 焦って先に動かず、コースの判別ができてから動く

この6点を意識できれば、驚くほどラリーが続くようになり、ミスが少なくなってくると思います。
ただ難しいのは、これら6点は技術というより全て「意識」によるものなので、解っていてもすぐに身につかず、意識し続けなければならないという精神修行のような世界なのです。まずは、この中の1つずつ意識するところから始めてみてください。そうすると、何気ないフォア打ちもすごく良い練習に変わってきます。

私もまだまだ残心を身につけている修行の身なので、ぜひ一緒に上達できるように練習していきましょう!

▼先日購入した、持ち運びに便利な超コンパクト三脚♪
ご自身の動作チェックにスマートフォンで撮影しましょう!

▼三脚を使ってスマートフォン撮影をするための必須アイテム

関連記事

  1. 卓球 ゼッケン印刷

    日本卓球協会ゼッケンに家庭用インクジェットプリンターで名前を…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。